2013年04月11日
第17回 東海道の宿場町を巡り、歴史の息吹を味わうコース
静岡市清水区興津、由比、蒲原はいずれも東海道の宿場町。清水地区の歴史ロマンをたどり、海の幸と山の幸が豊富な由比町を走り抜け、江戸から15番目の宿場町蒲原を回るコース。格子戸の並ぶ街道を走れば、昭和、大正、明治、江戸にタイムスリップしてしまう浪漫あふれるエリアだ。美しい富士山、駿河湾の恵み、出会う人々と温かい会話が楽しめることは間違いない。
【 コースデータ 】
◆エリア=静岡市清水区興津、由比、蒲原
◆スタート=JR興津駅北口
◆ゴール=JR新蒲原駅北口
◆走行距離=約15km
スタートはJR興津駅北口。駅前の道を南へ、国道1号を右折して西に向かい「興津坐漁荘」へ。坐漁荘は明治・大正・昭和の三時代を生き抜いた政治家で最後の元老といわれた西園寺公望が建てた別荘。建物は2004年に跡地に復元された京風の純和風建築でとても魅力のある建物。現在はNPO法人が管理を任されている。
坐漁荘は入館無料。NPO法人スタッフが案内をしてくれる
次に、来た道を戻るように東へ向かう。左手に東海道屈指の名刹「清見寺」が見える。境内の五百羅漢は島崎藤村の作品にも登場していることで有名。朝鮮通信使ゆかりの寺として国の史跡にも指定されている。
徳川家康の指示により作られた美しい庭園が清見寺の奥にある
スタートのJR興津駅を過ぎ、しばらく走ると静清バイパスとぶつかる。バイパスを渡り自動車専用のトンネルを抜け、少し走ると目の前には駿河湾、天気の良い日は前方右手に伊豆半島を見渡せる。左手には東海道興津宿と由比宿の間に位置し、難所としても有名な薩埵峠(さったとうげ)。興津川にかかる清興津橋を駆け抜けると防波堤沿いの幅広い道となり、前方には富士山が現れる。
駿河湾を右手に由比方面に向かって新興津川橋を駆け抜ける
しばらく走ると富士由比バイパスと合流し、最初の信号を渡り、東海道本線の踏み切りを越えて、街道の宿場町だった由比に入る。このあたりは倉澤の集落。なんとも味わいのある風景だ。
由比倉澤地区には宿場町の風情も色濃く残っている
山沿いを走るコースからは富士山、そして伊豆半島が垣間見られるが、道幅も狭く、地元の人や観光客も多いので気をつけて走りたい。
東海道を直進、JR由比駅を通過する。駅前の店先には名産の桜えびの案内。街道の右手は駿河湾の恵みの幸が水揚げされる由比漁港。港を見ながら桜えびのかき揚げ丼が食べられる店もあるので、寄り道もいいだろう。
日本では駿河湾でしか獲れない桜えびの港、由比漁港。漁港近くでは桜えびとやしらすの看板が多い
由比川橋を渡ると左手に見える由比本陣公園内には「東海道広重美術館」、由比本陣公園記念館「御幸亭」、「東海道由比宿交流館」があり、お土産やトイレ休憩にもいい。
由比本陣公園内にある東海道広重美術館では、全国で初めて浮世絵師歌川広重の作品を中心にコレクションしている
本陣の向かいには、江戸時代初期から400年も続いている「正雪紺屋」(染物屋)がある。正雪紺屋は慶安事件の由比正雪の生家といわれ、今でも裏庭の祠には、正雪を祀ったといわれる五輪塔がある。
ここから先の商店街を抜けると蒲原までは、あと少し。蒲原は駿河湾で最も奥深い海岸沿いに広がる東西約6.4㎞の細長い町で、東海道五十三次の時代から交通の要所として栄えた歴史のある宿場町。
まず、清水区役所蒲原支所の看板が見えるまで東海道を直進しよう。看板が見えたら左折、蒲原支所の前を通過すると左に和歌宮神社が見える。ここから先にレトロな美しい町並みが続く。左手にはすでに建てられていた町家を元に、ガラスと下見板をはめ込んだ独特なデザインの「旧五十嵐歯科医院」、近くには、屋号を「やま六」といい醤油、味噌、油を扱っていた商家の面影がよく残されていた「志田邸」が通り沿いにある。その先には黒い塀に囲まれ、宿場町としての繁栄と往時の佇まいをしのばせる江戸時代の本陣跡。
旧五十嵐邸は1914年に改装された洋風建築で、国登録有形文化財
志田邸は安政年間に再建された元商家で、国登録有形文化財
その向かいの、NPO法人駿河裂織倶楽部が運営しているお休み処は、江戸時代の「和泉屋」の屋号で旅館として使われていた国登録有形文化財。藍染め、草木染め、機織など蒲原の伝統織物を見ることができてイベントも体験できる。またお茶のみならず、食事もとれる。とくに薬効が盛りだくさんの薬膳カレーはイチオシ。店内で販売している饅頭も美味しい。
お休み処を運営するNPO法人駿河裂織倶楽部の朝原智子理事長。おすすめは薬膳カレー
お休み処の少し先、なまこ壁の家の手前を左手に曲がると春には山全体が桜色に染まる桜の名所の御殿山。歩道やアスレチックもあり、さくらつり橋や御殿山広場からは駿河湾や伊豆半島が見渡せる。体力のある人は、ここからハイキングもいい。
ゴールのJR新蒲原駅は、もう目の前。お休み処から南に向かい国道1号を渡って東海道本線のガードをくぐると駅前のロータリーだ。
ゴールのJR新蒲原の駅前に漁船のモニュメントがある
【 コースデータ 】
◆エリア=静岡市清水区興津、由比、蒲原
◆スタート=JR興津駅北口
◆ゴール=JR新蒲原駅北口
◆走行距離=約15km
スタートはJR興津駅北口。駅前の道を南へ、国道1号を右折して西に向かい「興津坐漁荘」へ。坐漁荘は明治・大正・昭和の三時代を生き抜いた政治家で最後の元老といわれた西園寺公望が建てた別荘。建物は2004年に跡地に復元された京風の純和風建築でとても魅力のある建物。現在はNPO法人が管理を任されている。
坐漁荘は入館無料。NPO法人スタッフが案内をしてくれる
次に、来た道を戻るように東へ向かう。左手に東海道屈指の名刹「清見寺」が見える。境内の五百羅漢は島崎藤村の作品にも登場していることで有名。朝鮮通信使ゆかりの寺として国の史跡にも指定されている。
徳川家康の指示により作られた美しい庭園が清見寺の奥にある
スタートのJR興津駅を過ぎ、しばらく走ると静清バイパスとぶつかる。バイパスを渡り自動車専用のトンネルを抜け、少し走ると目の前には駿河湾、天気の良い日は前方右手に伊豆半島を見渡せる。左手には東海道興津宿と由比宿の間に位置し、難所としても有名な薩埵峠(さったとうげ)。興津川にかかる清興津橋を駆け抜けると防波堤沿いの幅広い道となり、前方には富士山が現れる。
駿河湾を右手に由比方面に向かって新興津川橋を駆け抜ける
しばらく走ると富士由比バイパスと合流し、最初の信号を渡り、東海道本線の踏み切りを越えて、街道の宿場町だった由比に入る。このあたりは倉澤の集落。なんとも味わいのある風景だ。
由比倉澤地区には宿場町の風情も色濃く残っている
山沿いを走るコースからは富士山、そして伊豆半島が垣間見られるが、道幅も狭く、地元の人や観光客も多いので気をつけて走りたい。
東海道を直進、JR由比駅を通過する。駅前の店先には名産の桜えびの案内。街道の右手は駿河湾の恵みの幸が水揚げされる由比漁港。港を見ながら桜えびのかき揚げ丼が食べられる店もあるので、寄り道もいいだろう。
日本では駿河湾でしか獲れない桜えびの港、由比漁港。漁港近くでは桜えびとやしらすの看板が多い
由比川橋を渡ると左手に見える由比本陣公園内には「東海道広重美術館」、由比本陣公園記念館「御幸亭」、「東海道由比宿交流館」があり、お土産やトイレ休憩にもいい。
由比本陣公園内にある東海道広重美術館では、全国で初めて浮世絵師歌川広重の作品を中心にコレクションしている
本陣の向かいには、江戸時代初期から400年も続いている「正雪紺屋」(染物屋)がある。正雪紺屋は慶安事件の由比正雪の生家といわれ、今でも裏庭の祠には、正雪を祀ったといわれる五輪塔がある。
ここから先の商店街を抜けると蒲原までは、あと少し。蒲原は駿河湾で最も奥深い海岸沿いに広がる東西約6.4㎞の細長い町で、東海道五十三次の時代から交通の要所として栄えた歴史のある宿場町。
まず、清水区役所蒲原支所の看板が見えるまで東海道を直進しよう。看板が見えたら左折、蒲原支所の前を通過すると左に和歌宮神社が見える。ここから先にレトロな美しい町並みが続く。左手にはすでに建てられていた町家を元に、ガラスと下見板をはめ込んだ独特なデザインの「旧五十嵐歯科医院」、近くには、屋号を「やま六」といい醤油、味噌、油を扱っていた商家の面影がよく残されていた「志田邸」が通り沿いにある。その先には黒い塀に囲まれ、宿場町としての繁栄と往時の佇まいをしのばせる江戸時代の本陣跡。
旧五十嵐邸は1914年に改装された洋風建築で、国登録有形文化財
志田邸は安政年間に再建された元商家で、国登録有形文化財
その向かいの、NPO法人駿河裂織倶楽部が運営しているお休み処は、江戸時代の「和泉屋」の屋号で旅館として使われていた国登録有形文化財。藍染め、草木染め、機織など蒲原の伝統織物を見ることができてイベントも体験できる。またお茶のみならず、食事もとれる。とくに薬効が盛りだくさんの薬膳カレーはイチオシ。店内で販売している饅頭も美味しい。
お休み処を運営するNPO法人駿河裂織倶楽部の朝原智子理事長。おすすめは薬膳カレー
お休み処の少し先、なまこ壁の家の手前を左手に曲がると春には山全体が桜色に染まる桜の名所の御殿山。歩道やアスレチックもあり、さくらつり橋や御殿山広場からは駿河湾や伊豆半島が見渡せる。体力のある人は、ここからハイキングもいい。
ゴールのJR新蒲原駅は、もう目の前。お休み処から南に向かい国道1号を渡って東海道本線のガードをくぐると駅前のロータリーだ。
ゴールのJR新蒲原の駅前に漁船のモニュメントがある
Posted by eしずおかコラム at 12:00