静岡軽便鉄道は別名、「駿遠線（すんえんせん）」。全長64.4㎞に及ぶ軽便鉄道としては日本最長規模。軌道敷の一部は何度も姿を隠しながらも続いており、かつての面影を想像しながら軌道敷を活用した自転車道を走ってみよう。

　JR袋井駅を降りて自転車を組み立て、袋井駅の南側に回り、県道41号を進む。柳原橋を越えてしばらく走ると前方に静岡軽便鉄道の軌道敷を活用した自転車道が見えてくる。住宅街を縫うように走る自転車道はどこまでも平坦な道。右手に諸井（もろい）駅と書かれた駅名標とかつてのホームの跡が見えてくる。



　ここからは、当時の面影を残す駅名標を頼りに進むとしよう。浅羽方面へ向かうと浅名駅、レンガ色に整備された軌道敷跡、休憩所もある。



浅　羽中の北側の交差点を通過し五子岡（いごおか）駅の駅名標、ここから周囲は田園風景となり、レンガ色の道もアスファルトに、畑の中を進む農道に変わる。しばらく走ると大須賀に入る。清水邸庭園を過ぎた辺りから軌道跡が途切れ途切れとなってくる。ふと振り返ったりして軌道跡を探しながら走ることも楽しいだろう。



　里山を進み笠原小を通過し、ふたたび県道41号に沿って走る軌道敷跡を東に進み、西田町の交差点を通過する。横須賀小を通過し、下新橋を渡る。県道69号を横切り、山沿いの軌道敷跡地を走る。掛川市役所支所を通過し太平洋を目指して走ると西千浜の駅名標がポツリと立っている。



　通過するとその先には国道150線、左折し右手に遠州灘、そして風力発電を見ながら菊川橋を渡る。時折吹く横風には気をつけて走ろう。



　菊川橋を渡って大東温泉シートピアを右手に見ながら国道150線を東に進む。クルマの走行量も多くなるので気をつけよう。左手に見えるイオンタウン浜岡の先のコンビニを過ぎたら左折。県道372号と平行して走る軌道敷跡地を右手に進むと遠州佐倉の駅名標が見える。



　その先の御前崎中学校を過ぎると太平洋岸自転車道のサインが目に入る。ここからは自転車道として整備されているので、さらに気持ちよく走れるコース。ついついスピードが出してしまうが歩行者も多いので注意しよう。



　御前崎の先端の地頭方（じとうがた）の駅名標を通過すると、次は、落居（おちい）、木々須（きすす）と駅名標が続いていく。




　そして、静岡軽便鉄道の軌道敷でもっともノスタルジックな風景である小堤山トンネルが見えてくる。



　往時のままに補修されたレンガ積みの小堤山トンネルを抜けて、牧之原市相良庁舎前を通過し、再び国道150号に出ると目の前は太平洋。相良橋を渡り、太平洋岸自転車道を東に進む。再度、国道150号を横切り吉田町に入ると左手には通称、吉田田んぼ。そして前方、その先に小山城が見える。　

　吉田田んぼ沿いに走る自転車道を大井川に架かる谷口橋に向かって走る。橋を越えたらゴールのJR六合駅はすぐ目の前だ。