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2013年11月12日

第26回 自転車のある生活を大切にしたい、やっぱり自転車は最高だ。

 自転車は多くの方が利用される乗り物です。ただし、自転車の本当の愉しさを知っている方はどれくらいいるのでしょうか。自転車に乗らない方もいます。買い物や通勤など実用的な自転車しか乗ったことの無い方もいると思います。昨今は、CO2をまったく出さないエコな乗り物、健康増進のための運動のツールで経済性の高い乗り物、さらに持続可能な社会の救世主としてまちづくりの主役の場に引っ張り出される機会も増えました。
 そんな多彩な魅力を持つ自転車を僕たち自転車人がどのように伝えることができるかで、この先の社会のあり方を大きく変えるような勢いが今、自転車にあるようです。

 自転車のある生活を大切にするために、自転車の存在を意識しなければなりません。
 自転車が誕生して200年、その魅力の一部を読み解いてみましょう。今回は自転車の歴史についてふれてみます。

自転車の歴史
 自転車の歴史については諸説がありますが、文献から調べたもの、先輩諸君から得た情報などを基に僕の主観や自転車への想いをまとめて、自転車の歴史を紹介しましょう。

 自転車にバイシクルと名称がついたのは、1879年のことだと言われています。ドイツのネッカースウルム二輪車博物館によると、この年、イギリス人のハリー・ローソンがチェーン駆動によって後輪を回転させる装置を発明。彼はその自転車にフランス語でBicyclette(ビシクレット=2つの輪)と命名。それが英語のバイシクルになったというわけです。(Bicycletteは、チェーンと歯車を用いた後輪駆動。前後同一のホイール径、理想的な乗車ポジション。今から135年ほど前に現代の自転車の基礎が確立されたといえます)。

 バイシクル以前の自転車というと、ペダルが前輪の車軸に直結していたりさらに坂を登る時は地面を足で蹴って進む、という原始的な構造を持っていたオーディナリー、ドライジーネでした。
 1813年に自転車を最初に考案したと言われる、ドイツのカール・ドライス伯爵はパリへ行き特許を取得。これによりフランスが自転車の製造・開発の中心地となったのでした。しかし、1870年にプロシアとの間に普仏戦争が勃発すると、フランスにおける自転車の発展は休止。代わってイギリスが、その後半世紀余りにわたって世界の自転車産業をリードすることになります。

 日本における自転車の歴史については、詳しくは「しずおか自転車便り 第11回 けいきさんと親しまれた自転車人」を一読いただけましたら幸いです。徳川慶喜の住む駿府静岡は清水湊を経由して西洋文化が入ってきたこと、そして宮大工がいたからこそけいきさんの自転車を修理することが出来たということもあって、いち早く自転車を受け入れることができたまちだったのかもしれません。けいきさんが自転車を乗り回していると静岡新聞に掲載されたのは1887年、最初に日本に輸入された自転車がそれより前であることが予想されるので、日本人が初めて見た自転車はオーディナリー型の自転車だったのではないでしょうか。


第26回 自転車のある生活を大切にしたい、やっぱり自転車は最高だ。

 
 自転車の歴史をもう一つ紹介しましょう。世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランス。今年2013年は、記念すべき100回大会でした。ツールは1903年に産声を上げたレース、2回の世界大戦による中断を経ながら、世界最大のレースへと成長をとげたのです。まさしくツールはその時代を走り抜けるロードバイクを映す鏡であり、自転車の歴史を物語っていると言えます。ちなみに一昨日の11月10日に放送されたTBS系「情熱大陸」に出演した新城幸也は、2009年から今年まで4度出場、2012年の第4ステージにおいて敢闘賞を獲得し日本人で初めてグランツールの表彰台にも上がったプロサイクルロードレーサーです。



Posted by eしずおかコラム at 17:30

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