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2013年12月10日

第28回 日本の自転車マナーが非常に悪いといわれるのはなぜか

 自転車は「軽車両」⇒「左側通行」という法規が守られない。
自転車はとても身近な乗り物なのに、日本では自転車に関する法規が守られていないといわれている。自転車の定義はあくまでも車両だ。しかし、実際はあいまいな位置づけとなっており、歩行者と自動車の両者から敵視され、まともな走行空間が見つからない、といわれるのはなぜなのか。

 2013年12月1日から「自転車走行は左側のみ」となった。2013年6月に公布された改正道路交通法の一部が施行されたためで、自転車が道路の路側帯を走る場合、車道と同じ左側通行に統一されたことになる。これまでは、歩道のない道路の白の実線などで区切った外側の「路側帯」は自転車は左右どちらでも通行できた。通勤・通学時の自転車同士の正面衝突が多発した要因は、ここにあったといっても間違いはない。自転車の右側走行(いわゆる逆走)は、運転者にとっても周りにとっても非常に危険な行為であるし、重大な法律違反でもある。車道をクルマが逆走しているのと同じことなのだ。これをやめるだけでも、交通事故は大きく減少するのはまぎれもない事実であろう。自転車は道交法上、軽車両扱いであり、車道を走る場合は左側走行が義務づけられている。今回の措置は「自転車は左側通行」という原則を徹底させる狙いもあったのだろう。路側帯の左側通行に違反した際の罰則は「3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金」を科せられる。

第28回 日本の自転車マナーが非常に悪いといわれるのはなぜか


 さて、日本は自転車マナーが非常に悪いといわれる。しかし、静岡市をはじめ多くの地方都市が「自転車社会」を再構築しようとしているのも事実。その試みの一つに自転車走行空間の整備として国土交通省と警察庁が合同で「自転車通行環境整備モデル事業」が取り組まれている。これは自転車走行空間が世界に比べて整備が遅れていることが背景にあるといえよう。

 「日本は自転車インフラが弱い」といわれている理由をひも解くとき、世界の自転車走行空間計画を都市別に比べてみると一目りょう然にわかる。人口820万人のニューヨークの走行空間は2,896 ㎞、742万人のロンドンで900 ㎞、214万人のパリで600㎞、78万人のサンフランシスコでさえ205㎞はある。しかし日本の都市はどうであろうか。千代田区・中央区は14万人で34㎞、53万人の板橋区で0.8㎞、69万人の練馬区にいたっては0.3㎞という計画だ。222万人の名古屋市で97㎞、32万人の前橋市で90㎞、僕が暮らす71万人の静岡市は294㎞の計画がある。 

 こうした体たらくに陥っている根本には、自転車の存在、位置づけがあいまいという問題が横たわっているのではないか。自転車はあくまで車道を走るのが原則。だが低速で走るママチャリが普及するにつれ、自転車は法規が認めていない状況でも歩道での走行を勝手にするようになってしまった。一方でロードレーサーのようなスピードが出る自転車は相変わらず車道を走っている。彼らは多数の路上駐車している自動車に走る場所を奪われており、駐車車両をパスするたびに、後ろから迫ってくる自動車にあおられて怖い思いをしている。

 なんども繰り返すが、自転車の定義はあくまでも車両である。しかし実際はあいまいな位置づけになっており、歩行者と自動車の両者から敵視され、まともな走行空間を与えられていないのだ。だからこそ自転車走行空間である自転車道は理想的な存在になるはずなのだが、ロードレーサーとママチャリでは天と地ほどその性格が違うため、一緒に走らせると新たな軋轢を呼ぶことになる。今、静岡市内では自転車の整備が進められている。しかし、自転車の定義があいまいなまま自転車道を造っても、誰のための自転車道なのかよくわからないものができてしまうことを行政だけでなく、われわれ市民も気づくべきではないだろうか、と憂うのは僕だけだろうか。
 


Posted by eしずおかコラム at 18:11

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