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2013年12月24日

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場

静岡市の自転車政策の新たな取組み
利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場


 静岡市は2013年12月16日から、葵区の青葉通り地下駐輪場の利便性を高める社会実験を始めた。来年(2014年)2月16日まで24時間営業、駐輪して最初の2時間は無料、商店街からのサービス券があれば最大5時間まで無料になる。街中の放置自転車を減らして、歩いて楽しいまちづくりを進めるのが狙いだ。

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場


 約10年前に、僕は青葉通り地下駐輪場をはじめ市内にある駐輪場の稼働率と街中の放置自転車の関係について調べた。静岡駅を中心とした駐輪場の時間帯別の利用状況、そして紺屋町を中心とした商店街における時間帯別の放置自転車状況をヒアリングした。その属性を分析したところ、中心市街地などでの自転車放置者の50%が、「通勤・通学」目的と答え、その7割は「周辺の職場に通うため」という結果が出た。

 従来の静岡駅利用者が大半を占めるという仮説を覆し、自転車放置者は中心市街地商店街の従業員であったことが、この時初めて明らかになったのだ。その結果を踏まえて静岡市には、駐輪場整備計画を見直すよう提言し、静岡地区繁華街にある13商店街の協力を得て、同市が中心となって実態調査を実施。その後、地域の企業や商店の従業員が自転車やバイクを使っているかどうか調べて、地域の実情に合致した計画を立案することとなった。

 しかしながら、企業や商店が従業員用の駐輪場を用意することは現実的に難しく、また自転車ブームでさらに放置自転車が増えてしまったという皮肉な結果となってしまった。増加する自転車通勤者、企業側の対応は後手に回っている面は否めない、という事実が今も続いている。

 さて、田辺静岡市長と先日お会いした時に「この社会実験は、自転車を生かしたまちみがきを進める大きなメッセージ。今後も本気で取り組む、期待して欲しい。これからも協力を頼む。」と僕に話してくれた。田辺市長とは、静岡を自転車の先進都市にしよう、世界水準都市にしていこうと語り合っている。その都度、自転車への熱い想いが伝わってくるとともに今、何をすべきかという議論がされてきた。観光レンタサイクルの導入、自転車走行空間の確保に向けての自転車道インフラ整備、そして放置自転車対策としての駐輪場利用率向上のための施策につながる社会実験が、大きく動き始めたといえる。

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場
青葉通り地下駐輪場の入口にあるインフォメーション


 社会実験がスタートして1週間、先ごろ、僕は青葉通り地下駐輪場を取材した。
 同駐輪場の実験前の営業時間は午前5時半~午後11時半まで。街中にあるにもかかわらず昨年度の利用率は平均で52.5%と低かった。一方で、周辺の商店街の自転車放置は常駐化しているのも事実である。

 そこで市は24時間営業のほか、休憩スペースがある。駐輪場内では平日は、パンを販売(パンを購入するとコーヒーが無料サービスらしい)したり、パンク修理などの整備コーナー(油差し・空気入れ・貸し出し工具は無料、パンク修理千円)などが設けられている。利用状況について運営スタッフに聞いてみると平日は、周辺の企業、そして商店の従業員が利用するケースが増えたことにより利用率の向上が見られるという。また、駐輪場内でのパンの売れ行きもなかなか好調らしい。

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場
青葉通り駐輪場の中にはロッカーと休憩場がある

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場
レンタルサイクルも駐輪場内にある


 運営スタッフの皆さんの対応も良く、「空気入れを貸してください」と言った僕に、スタッフの方はわざわざ機械で空気を入れてくれた。「自転車整備士の方ですか?」と尋ねたところ「平日は整備士の方が駐在していますよ、僕は違いますけどね」と謙虚な答え。しかしながら、その手つきは慣れたもので、安心して見ていられる対応だった。何よりも自転車に対して真摯に取り組む姿勢が、それぞれのスタッフから感じ取れたのが自転車人の僕から見て嬉しかった。同駐輪場の地上部の入り口にテントを設営し、スタッフが案内していたことも、判りにくいといわれる同駐輪場の対策としては、良い方法だと思う。

第29回 利便性向上の実験開始、青葉通り地下駐輪場
慣れた手つきで、空気を入れてくれた運営スタッフ


 同駐輪場の周りを見渡すとまだまだ放置自転車が多く見られるが、2時間無料ということが周知されれば社会実験期間中に放置自転車が徐々に減っていくのではと期待したいところである。
 静岡市では、同駐輪場の利用者の満足度や継続希望施策をアンケート調査し、今後の駐輪場改善の施策に反映するとのこと。利用者はもちろん、多くの市民の声を集めて今後の改善策にいかに結び付ける動きをするかが静岡市に期待されていることかもしれない、と取材を通じて改めて感じた。
 



Posted by eしずおかコラム at 12:00

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